少しためになるスパイスの話【寄り道3】


少しためになるスパイスの話「寄り道3」

<とろりの話>


オープンまであと2ヶ月と迫った頃でも、僕は試作に追われていました。さらさら食べれる「さらり」、とろっと濃厚な「とろり」、ふたつのカレーからスタートするコンセプトは決めていました。さらりの味が決まったあとも、とろりの味になかなか納得出来ず、あーでもないこーでもないと試作を重ね、煮え切らない思いに悶々としていました。中途半端に良いものが出来ていたので、方向性を変えずに昇華していこう、できるはずと、今考えると固執しすぎてしていました。ある程度出来たものを全て壊して、いちからやり直すという決断がなかなか出来ませんでした。


僕は、大根とスパイスの組み合わせが大好きで、とろりは必ず大根を使いたいと考えてました。大根はスパイスカレーによく登場する具材で、試作品にも使っていましたが、その時は賽の目切りで食べやすく、食感を残した火入れをしていました。


鰹出汁の風味と、鶏の小間切れと大根、スパイスが相まって、すごく好きな味だったんですが、商品としてのインパクトが足りないなと感じていました。和の料理や食材をスパイスと合わせて、うま味を重ねて、でも重たくなくて、スパイシーで、味も印象もインパクトがあって、体にも優しくて、飽きなくて、また食べたくなるようなカレー、、、

いろいろ求めすぎてしまって、見失ってしまっていたのだと思います。果たして求める味はカレーで表現できるのか?自分はなにが作りたいんだっけ?とまで思ってました。


煮詰まって、数日カレーのことを考えないことに。落ち着いてみました。そして、「自分の好きな和食をアレンジする」「カレーという枠の中で遊ぶ」という決まりでいちから考えようと決めました。


ふたつの要素はずっと頭にあり、自分の中では当たり前のことですが、よく考えたらそれも忘れていたなと、ハッとしました。大根は絶対使いたいと思っていたので、大根を使う好きな和食、ならば鶏と大根の煮物か鰤大根だな!となり、また試作を重ねました。


そして、お出汁で炊いたごろっと大きな大根入り、手羽元のうま味広がるスパイシーなとろりができました。あぁ良かった。


なにやらいろいろありましたが、こうして今皆さんにとろりをお出しすることができています。ありがとうございます。


オープンから5ヶ月経ちましたが、実はその間に何回か、とろりはマイナーチェンジしています。本当に細かいところですが、あくまでも印象が変わらない程度に。

当たり前ですが、毎日味見して、気づいたことは共有して、日々改良してきました。今後も同じく進めていきます。これからも、とろりをよろしくお願いします。


余談ですが、鰤大根とカレー、どこかで登場するかもしれません笑

お楽しみに。



では、また。

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